Ubuntu 24.04 LTS で cuda-toolkit をインストールした。

前書き

私は自宅と職場で多数のUbuntu OS搭載端末を扱っています。
2024年4月25日にUbuntu 24.04 LTS (Long Term Support)がリリースされた時点ではUbuntu 22.04 LTS以前の古いヴァージョンからの直接のアップグレードは出来ないようになっているので、27日に私の母が使用しているUbuntu 20.04 LTSなノートブックPCを 20.04 -> 22.04 -> 23.10 -> 24.04 の順でアップグレードしました。

sudo apt-get dist-upgrade

を3回も実行しました。

そして使用してみた結果、Ubuntu 24.04 LTSは非常に良く出来たOSで動作は機敏でGUI(ディスプレイ サーヴァーはWayland)も問題無さそうだったので他の端末でもUbuntu 24.04 LTSにアップグレードする事にしたのです。

職場や自宅のメインのデスクトップPCも同様にしてUbuntu 22.04 LTSから24.04 LTSにアップグレードしました。

しかし、自宅のメインPCだけが日本語テキスト入力でかな漢字変換時に確定のEnterキーを押すと変換対象文字列が後ろに重複して入力されてしまう不具合に見舞われました。(IBus, Mozc環境)
色々調べると、どうやらこれはヴァージョン アップ前にこのPCだけディスプレイ サーヴァーをWaylandではなくXorgのX11に設定していた為、ヴァージョンアップ後にもX11が使われている事が原因でした。
既にUbuntu 24.04 LTSはWaylandが標準となっている事からX11ではなくWaylandを使用する事にしました。
そしてWaylandを有効化したのですが、今度は幾つかのアプリが起動出来なくなってしまいまして、思い切ってUbuntu 24.04 OSを再インストールする事にしました。

4TB SSD (3TBほど使用済み)からSATA接続の6TB HDDへのデータのバックアップで数時間掛かりまして、HDDの読み書き速度の遅さを思い出させられた次第です。

ライヴUSBを使用して、SSDストレージ内のhomeディレクトリー以下の内容を残したままOSをdirty再インストール出来ると思っていたのですが、手動パーティショニングの設定画面からSSDのメインのパーティションをフォーマットせずに再インストールする方法が見付からず、已む無くクリーン インストールをする事になりました。

HDDのバックアップ データから再度SSDへ100万個以上のファイルを長時間掛けて書き戻し、各種必要なアプリなどをインストール、設定などをしている最中でしたが、CUDA Toolkitのインストールで躓きました。

CUDA Toolkitのインストールでエラーが出た

https://developer.nvidia.com
NVIDIAの開発者ウェブサイトに記載の指示に従ってインストールしていたのですが、エラー メッセージが出ました。

~$ sudo apt-get -y install cuda-toolkit-12-4
パッケージリストを読み込んでいます... 完了
依存関係ツリーを作成しています... 完了        
状態情報を読み取っています... 完了        
インストールすることができないパッケージがありました。おそらく、あり得
ない状況を要求したか、(不安定版ディストリビューションを使用しているの
であれば) 必要なパッケージがまだ作成されていなかったり Incoming から移
動されていないことが考えられます。
以下の情報がこの問題を解決するために役立つかもしれません:

以下のパッケージには満たせない依存関係があります:
 nsight-systems-2023.4.4 : 依存: libtinfo5 しかし、インストールすることができません
E: 問題を解決することができません。壊れた変更禁止パッケージがあります。

libtinfo5 が無いとの事。
NVIDIAのウェブサイトによると対応OSがまだUbuntu 22.04 LTSまでであり、Ubuntu 24.04 LTSの公式リポジトリーにはまだ libtinfo5 が無いようです。

解決方法

https://packages.ubuntu.com/jammy/amd64/libtinfo5/download
Ubuntuの libtinfo5 パッケージのウェブページを参照し、Ubuntu 22.04 LTSのリポジトリーを登録して libtinfo5 を取得出来るようにしました。

deb http://security.ubuntu.com/ubuntu jammy-security main universe

上記の設定をGUIアプリの “ソフトウェアとアップデート” の “その他のソフトウェア” タブのリポジトリー欄に追加しました。

Ubuntuのソフトウェアとアップデートという設定用ウィンドウが表示されている画面のスクリーンショット画像。
“ソフトウェアとアップデート” で簡単にリポジトリーを追加した。

後は普通に設定の再読込をして

~$ sudo apt-get -y install cuda-toolkit-12-4

でCUDA-Toolkitのインストールが完了しました。
そしてCUDAドライヴァーやその他諸々もインストールし、Python環境も今の時流に従って “venv” の仮想環境を使うように対応し、晴れてUbuntu 24.04 LTSな開発環境にする事が出来ました。

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