汎用光量子コンピューターが発明されました!

100万個以上の量子ビットの処理が可能という革命的な光量子コンピューターが発明されました。
発明したのは東京大学 工学系研究科 古澤 明 教授と武田 俊太郎 助教です。
科学技術振興機構(JST)のウェブサイトに分かり易く記載されております。

“科学技術振興機構” のウェブサイト / “共同発表:究極の大規模光量子コンピュータ実現法を発明~1つの量子テレポーテーション回路を繰り返し利用~” のページのURL:
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20170922/index.html

非常に興奮させられます。

現代の一般的なコンピューターで計算に用いられるデジタルなビット“0” か “1” のどちらか一方の値しか取りません。
原子、イオン、超電導回路、光子といったものを用いて情報処理が行われる量子コンピューターでは、量子ビット (quantum bit / qubit)で情報処理をします。
量子ビットは “0” であると同時に “1” であるといったような値の量子力学的重ね合わせが可能です。
最終的な確定値は観測により確率的に得られます。
また、複数の量子ビットについて相関を持たせて量子もつれ状態を作る事ができます。
例えば光の素粒子である光子同士を部分透過鏡で干渉させて量子もつれ状態にして置き、光子の一方を遠くへ移動させた後、片方の光子の状態を観測により確率的に確定させると、量子もつれ状態にあるもう一方の遠方の光子の量子状態が同時に確定します。

この量子ビットを用いて量子計算用のアルゴリズムで処理する事により、従来のスーパーコンピューターでさえ膨大な時間を要する計算を一瞬で完了する事も可能だそうです。
特に今回の発表にある光量子コンピューターは汎用量子コンピューターであり、量子アニーリング マシンと違って組合せ最適化問題に限定されずにあらゆる計算が可能だそうです。

今回発表された光量子コンピューターは光子を用いたものである為、極低温や真空環境が必要だった原子やイオンや超電導回路を用いたシステムと異なり、室温で大気中での動作が可能という優れた特徴があります。

また、光パルス列を回路の中で何度も周回させて、1つの量子テレポーテーション装置の演算機能を次々と変更させながら順次処理して行く方式により、情報を載せた光パルス列を何度も処理可能となる為、そのシステムの規模に対して光学部品の規模が抑制される上、計算ステップ数を無制限に増大させて、どれ程大規模な計算でも可能であり、何と1,000,000個以上の量子ビットを何ステップも処理する事さえ可能だそうです。

この発明により、今日までに作られた量子コンピューターとは桁違いの能力を持つ汎用量子コンピューターが実現するかもしれません。

更に驚くべき事に、この光量子コンピューターは、将来的には小型な光チップ上に実装できる可能性さえもあるそうです。
いつかは、スマート フォンのように皆が大規模な量子計算が可能な量子コンピューターを携帯する時代が来るかもしれません。

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